私の秘蔵コレクションの中に、九七式狙撃銃用の狙撃眼鏡を携帯するための収容嚢があります。実はそれを2つ持っています。
基本的な装備品ではありませんので、本来であればもっと後で紹介しようかと考えていましたが、今回ご縁があって1つを知人にお譲りすることになりました。そこで、記録のために2つの収容嚢の比較をしておこうと考え、この記事を書くに至りました。
この2つの入手先は全く異なるのですが、細部まで非常によく似ています。インターネット上を探すと、私が持っているものと少し細部が違う収容嚢も見つかりますので、ロットや製造工場の違いなどでそのような差異が生まれるのではないかと推測しています。
収容嚢の詳細写真
まずは外観から見ていきたいと思います。私は実物の九七式狙撃眼鏡は持っておりません。そのため、写真に乗っているのはS&Tの九七式狙撃眼鏡のレプリカです。ただ、残念なことにS&Tのレプリカはサイズが少し大きいようで、どちらの収容嚢の中にも入れることはできませんでした。
御覧の通り、左の収容嚢は負い紐が欠損しています。今回お譲りするのは負い紐が欠損している方なのですが、この方は精巧なレプリカを作成することが得意な方ですので、ご自分で負い紐を再生なさるそうです。
収容嚢の蓋を開けると、中はこのようになっています。向かって右側にある紐、布製のベロのようなもの、それから中のループは、手入れ用の筆を収納しておくためのものではないかと思います。日本軍では、狙撃眼鏡のレンズは筆で掃除をしていました。
紛失防止のために筆を紐に結び付け、ループの穴に筆の本体を通して収納し、布製のベロで筆の穂先を保護していたと思われます。紐は、長い方は約35cm(結んでいる部分も含む)あります。短い方は途中で切れている様子がありますので、同じように長かったと思われます。
蓋の底には、黒っぽいビロードのような布が貼られています。狙撃眼鏡がよくあたる部分だったのか、二つとも同じような位置の生地が薄くなっています
最後に負い紐について。負い紐の規格は、九三式双眼鏡嚢と同じようです。紐の通し方が少し異なりますが、紐の幅とバックルの形状が一致しました。
よもやま話
私が初めて手に入れた日本軍のエアガンがKTWの九七式狙撃銃(改)でした。KTWはスコープのレプリカを作ってくれる業者が見つからなかったようで、狙撃眼鏡の台座部分のみを再現し、それに現代品のスコープを取り付けるという方式をとっていました。
実際の九七式狙撃眼鏡よりもかなり大きく不格好な姿を不満に思っていましたが、収容嚢に入れて携行したいと思い、インターネット上で見つかる写真を参考に手作りの収容嚢を作ったりしていました。ただ、あまり鮮明な写真も少なく、どうなっているのかよくわからなかったので、とりあえず収納できる箱という感じです。このことがきっかけになって、実物の収容嚢を入手したいと思うようになりました。
狙撃眼鏡の方も、現物は滅多に出ないのでどうしようかと思っていましたが、S&Tの九七式狙撃銃が発売された際に、「きっと狙撃眼鏡だけバラ売りしてくれるのでは?」と期待していたところ、案の定、販売されましたので、ひとまずそれを入手しました。
しかし残念ながら、S&Tの狙撃眼鏡は私の持っているどちらの収容嚢にも入りませんでした。ただ、日本軍の装備品によくある話ですが、手作りに近い工程で作られているせいで元々の組み合わせ以外は上手く入らないのかもしれません。ともあれ、狙撃眼鏡をバラ売りしてくださったS&Tさんには感謝です。
後日、非常に残念なことが判明。S&Tの九七式狙撃眼鏡は、KTWの九七式狙撃銃に取り付けできるだろうと思い込んで実際に試していませんでした。いざ、取り付けをしようとすると、台座の形状が微妙に異なっていて付けることができませんでした。しかも、S&Tの九七式狙撃眼鏡は、「脱」と「装」の動作が逆(「脱」で抜けなくなり、「装」で外せるようになる)ということも判明しました。
S&Tから狙撃眼鏡を取ってきてKTWに付けて使おうと思っていましたが、完全に当てが外れました。