HIKISHOPの九〇式鉄帽の帽体形状について

  • 投稿の最終変更日:2024年7月25日
  • 投稿カテゴリー:初心者向け / 被服 / 装備
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最近、実物の九〇式鉄帽の帽体を入手しました。最近は、実物の九〇式鉄帽の相場もかなり上がってしまっていて、内装のついたきれいなものだと、ヤフオク!で50,000円以上で取引されていたりします。

今回私が入手したものは、帽体のみで、内装を固定する星型のピンなども欠損している物でしたが、送料込みで10,000円以内で入手できました。若干錆が浮いていて、出品されている写真ではかなり状態が悪そうに見えましたが、現物は当時の塗料もしっかり残っていてなかなか悪くない買い物でした。

九〇式鉄帽のレプリカで、現在一番入手しやすいものはHIKISHOPのものでしょう。私も長らく、HIKISHOPの鉄帽を愛用してきました。そこで今回は、実物の九〇式鉄帽と、HIKISHOPのレプリカの形状を比較してみたいと思います。

外観の比較

まずは外観の比較です。左が実物の大号の帽体で、右がHIKISHOPの鉄帽です。塗装の色は若干異なりますが、パッと見た感じの形状は非常によく似ています。

天辺に通気孔が4個空いており、位置はほぼ同じです。通気孔の直径は、実物が2.5~3mm、HIKISHOPが3mmで、ほんの少しだけHIKISHOPの方が大きいようにも見えます。しかし、実物は刷毛塗りで塗料が厚めに塗ってありますので、塗料で通気孔に詰まって孔が少し小さくなっているように感じました。

次に、直径の比較です。1cmに満たないレベルでの誤差はありますが、ほとんど同じ形をしています。下の3枚目の写真は、実物とレプリカの写真を重ね合わせたものです。重ね合わせて確認しないとわからない程度の誤差しかありません。

型取りゲージによる比較

次に、型取りゲージを使って、天辺の形状に違いがないか確認してみることにしました。下の写真の赤い道具が型取りゲージです。

まずは縦方向にゲージを当ててみました。実物に当てたゲージが、そのままHIKISHOPの方にピッタリ合いましたので、縦方向の曲線はとてもよく再現されていると思いました。

次に横方向にゲージを当ててみました。こちらは、ほんの少しですが差異がありました。下の3枚目の写真では、型取りしたものを紙に写しています。赤が実物、青がHIKISHOPの線です。こうしてみると、ほんの少しだけHIKISHOPの方が尖っているようです。しかし、一番広い部分で1mmしか差がありませんので、ほぼ正確な形状をしていると考えて良いでしょう。

まとめ

以上の比較から、HIKISHOPの九〇式鉄帽の帽体の形状はとてもよくできていることがわかりました。ただし、HIKISHOPの鉄帽は、塗装がきれいに塗られ過ぎている感じがしますので、ディテールアップとして、刷毛で塗り直してみると面白いかもしれません。

鉄帽覆いを被せてしまえば、色については全く気になりません。これだけきちんとした形状をしていれば、高価な実物を購入しなくても、普段使いはHIKISHOPのレプリカで十分だと思いました。

HIKISHOP製の鉄帽覆いは少しサイズが小さく、鉄帽に被せるときに苦労します。予算に余裕があれば、クオリティの高い野狸製の鉄帽覆いをお勧めします。