私はレプリカの十四年式拳銃嚢を2種類持っています。一つはHIKISHOP製の前期型で、もう一つはメーカー不明の後期型です。
マルシンのガスガンを収納して使用する分には全く問題はありませんが、ディテールアップのために以下の改修を施したいと思います。
- 拳銃実包紙箱が入るように物入の改修
- 槊杖を収納するためのループの追加
物入の拡張
紙箱が入るようにするために、まずは物入自体を広げる必要があります。これについては、革を水にぬらすと伸ばしたり形状を変えることができるという性質を利用します。
最初に、紙箱の代わりになる型を準備します。水に濡らしても大丈夫なように、木片が良いです。私は加工がしやすいようにバルサ材を使って作成しました。大きさは、縦75mm、横73mm、厚み20mmで作成すると、ちょうど紙箱を2個並べて入れた時と同じになります。収納してみて思いましたが、紙箱を入れても木片を入れても、外見からは区別がつきません。紙箱を持っていない方も、このサイズの木片を作成して拳銃嚢に入れておくと、実包を入れてあるように見えますのでお奨めです。それっぽいボール紙を表面に貼っておくとさらに良さそうです。
型が完成したら、物入を水で濡らして型を入れていきます。この時に気を付けることは以下の2点です。
- 物入以外の部分は水で濡らさない
- 物入は満遍なく濡らす
革を濡らしてから乾かすと、濡らした部分だけ色が変わってシミのようになってしまう可能性が高いです。そのため、拳銃嚢本体は濡らさないように気を付けることと、物入はしっかり全体を濡らしてシミができないように気を付けます。革もすぐには水がしみ込まず、弾いてしまったりするため、筆を使って少しずつ水を与えましょう。
十分に水で濡らすと革が柔らかくなりますので、型を入れてしっかり形を整えて、一晩自然乾燥させます。
物入の蓋も同様に、水で濡らして伸ばすことも検討したのですが、無理をすると紙箱が破損したり、紙箱の出し入れが不便になるため、蓋は作り直すこととしました。
後期型の改修
それではここから、本格的なレザークラフトを開始していきます。
後期型は以下の点を改修します。
- 物入の蓋の作り直し
- 槊杖用のループがついていなかったので追加
- 本体の蓋のギボシを交換(以前ゲーム中にギボシが取れてどこかに行ってしまい、適当なものを付けたところ蓋がすぐに開いてしまうようになったため)
まずは物入の蓋を外し、本体も糸を切って開いていきます。裁縫用のリッパーという道具があるのですが、それを使うと誤って革や生地を切ってしまうことなく分解できるので、お奨めです。
在庫にあった適当な端切れから、蓋を切り出しました。若干分厚かったので、革漉きをして薄くしています。わざわざ漉かなくても適切な厚みの革を買ってくれば、こんな面倒な作業は不要です。
菱目打ちという道具を使って糸を通すための穴を開けます。元の部品は、縁に一定間隔の線が入っていました。これは刃が2本の菱目打ちで簡単に引けます。
革を染色します。完全に同じ色にするのは難しいので、それらしいところで妥協します。日光に当てることで色も変わってくるため、ベランダなどに干したりすることもあります。
蓋を縫い付けた後、水で濡らして柔らかくした状態で蓋を閉めて整えます。
この後、本体を縫い直して槊杖用のループも追加したのですが、写真を取り忘れました。そのあたりは前期型の方で手順を記録しました。
前期型の改修
続いて、HIKISHOP製の前期型を修正していきます。修正は以下の2点です。
- 物入の蓋の作り直し
- 槊杖用のループの穴が小さく、槊杖が入らなかったので作り直し
以下の状態からスタートです。
後期型と同じように物入の蓋を切り出して加工します。本体とよく似た色に染色済みの端切れがあったため、今回は染色は行っていません。
蓋を縫い付けてから、水で濡らして形を整えます。
一旦糸を切った本体を、底の部分から縫い直していきます。
元々ついていた槊杖のループは小さく、また接着剤がはみ出ていたせいで、ループの穴が塞がった状態で接着されてしまっていました。これでは槊杖を挿せないですね。
新しく切り出した革を挟んで、本体を縫い直しました。これで槊杖を入れられるようになりました。
途中で糸の質感が変わってしまうと変なので、本体の蓋まで外して縫い直しました。
レザークラフトは、先に穴を開けておいてから縫っていきます。そのため、普通の裁縫より失敗しにくいと個人的には思っています。特に、一度分解して縫い直す場合は、元々の穴がそのまま使えるので、そんなに手間はかかりません。
完成
以上で本体の改修が完了しました。これで、弾の紙箱、槊杖、撃針の3点セットを拳銃嚢に収納できるようになりました。
弾の紙箱は先日の記事で紹介したでくの房さんのもので、残念ながら私が最後の在庫を買い占めてしまいました。冒頭でも紹介しましたが、適切なサイズに切ったバルサ材をボール紙で覆ったりして入れておいても雰囲気は出ると思います。何より軽いです。
槊杖と撃針は、もちもち堂の餅さんのものです。こちらはたまたま、在庫が見つかったというポストを見かけて購入させていただきました。槊杖は、海外製のレプリカもあるのですが、撃針はあまり見かけないので貴重だと思います。
十四年式拳銃嚢前期型の完成写真
十四年式拳銃嚢後期型の完成写真