初心者にもお勧めのディテールアップ術

  • 投稿の最終変更日:2024年10月6日
  • 投稿カテゴリー:初心者向け / 被服 / 装備 / 軍服
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今回は、初心者にもお勧めできる軍装のディテールアップ術を紹介したいと思います。ちょっと裁縫のスキルが必要だったりもしますが、身近な材料で作ることができますので、チャレンジしてみてください。

襟布

襟布とは、軍衣の襟の部分が汚れるのを防ぐため、縫い付けておく布のことです。現代の学生服にもついているカラーと同じです。軍衣は頻繁に洗うことはできないので、襟布だけ外して洗濯をしたりします。陸軍給与令等にも記載されている制式の被服で、下士官兵には支給されていました。

以前、帝国陸軍歩兵装備の集め方(中級編)でも紹介しました。

白またはカーキ色の布を二等辺三角形の形に切り出します。サイズは昭和5年(1930年)の規定では、底辺が816mm、等辺が515mmと決められていますが、大体のサイズで構いません。これを概ね4cmくらいの幅でパタパタと折り曲げて、以下の写真のように縫い付けます。

もう少し手間をかけられるなら、将校用の私物襟布のようなものを自作してボタン止めにすると、洗濯のたびに外すのが楽になります。私の場合は、襟布はカラー帯状に縫ってしまって、ボタンホールを作ってあります。襟布は襟の端から約3mmほど出るように装着します。

ボタンの紛失防止糸

次に紹介するのは、ボタンの糸がちぎれてしまった場合にボタンを紛失しないようにするための処置です。貸与されている軍衣のボタンをなくしてしまうと、大目玉を食らってしまうため、どれかのボタンがちぎれてしまってもなくさないように、凧糸等で連結していました。

やり方はシンプルで、以下の通りです。1番目と5番目のボタンの足に凧糸を結び付け、その間のボタンの足に糸を通しておきます。ただ通すだけではなくて、足に一周巻き付けておくと良いです。

銃剣の鞘覆と脱落止め

続いては銃剣のディテールアップです。銃剣の鞘の保護、防音、反射対策などのために、部隊ごとに銃剣の鞘に付けるカバーを作成していました。素材は主に、襟布だったり、古くなった雨衣などを利用したようです。

襟布に使用した布を使って袋状に縫えば完成ですので、ミシンがなくても頑張れば手縫いでも作れます。ウインドラスのレプリカ銃剣などは、鞘の先端に巨大な丸いものが付いていたりして見た目が残念ですが、鞘覆を装着すればそれも隠すことができます。

また、銃剣には脱落止めの装着をお勧めします。匍匐前進などをしていると、知らないうちに銃剣の鉤などが草木に引っかかって抜けてしまい、剣を紛失してしまうという事故が当時も発生しました。そのため、銃剣をなくさないように、以下のような脱落止めを作成して装着していました。

ウインドラスの銃剣などは、鞘がガバガバですぐ抜けてしまいますので、脱落止めを装着することで不意の脱落を防ぐことができます。野外でのサバゲーの際の安全対策としても、実際に役に立つと思います。

水筒の記名

水筒には誰のものかわかるように名前が書かれていることが多いです。

一つ目の方法は、記名布を取り付けて、そこに名前を書く方法です。大抵は苗字だけ書いてあります。当時の場合は、記名布を水筒釣紐に縫い付けて名前を書いていますが、私の場合はマジックテープで取り付けができる記名布を作って付けています。これによって、取り付け位置を変えたり、あるいは名前を見せたくないときは外すことができます。

特に、下の一番最初の写真の取り付け方をする場合、水筒を右に掛けるか、左に掛けるかによって記名布の位置を付け替える必要があります。別の記事でも書きましたが、水筒釣紐はリバーシブルになっていて、水筒を掛けたときにバックルが前に来る向きに水筒を入れ替えます。通常は、水筒は左肩から右の腰に向かって掛けますが、拳銃を携行する場合や、衛生兵の場合など、状況に応じて右肩から左の腰に向けて掛ける場合があるためです。

二つ目の記名方法は、水筒本体に名前を書くという方法です。釘のようなもので引っかいて塗装を剥ぐことで、名前を書く場合があります。ただしこの方法は、レプリカの水筒であれば構いませんが、状態の良い実物水筒行うのは少々憚られますね。普通に引っかいて文字を書いてあるだけで、よく見なければわからないものもあれば、かなり凝った感じにレタリングしながら剥がしてあって遠目にもはっきり読めるものもあります。

よく見かけるのは、以下の写真のようにオレンジのところに名前を書いたり、黄色のところに名前を書いたりしています。当時は、文字を横書きにする場合、右から左へ書く書き方と、左から右へ記入書く書き方が混在していました。そのため、横書きの場合はどちら向きに書くか悩みます。

私の持っている実物水筒で、持ち主の記名があるものがありますが、これは現代の日本語と同じように左から右へ書かれていました。

まとめ

以上、初心者にもお勧めのティテールアップ術のご紹介でした。細かいアイテムが多いですが、このあたりのポイントを抑えることができると、ベテランの精兵感が出てきます。ぜひ挑戦してみてください。

銃剣鞘覆など、一部のアイテムは私のYahoo!オークションアカウントでも出品したりしていますので、ご興味がありましたらどうぞ。