防寒水筒覆は特殊地方用被服の防寒被服で、寒冷地において水筒の中身が凍結しないように昭五式水筒に被せるカバーです。これに似た装備として防寒飯盒覆というものもあります。昭和13年の服制並びに装具の中改正1の中に他の防寒装備と一緒に記載があります。
今回は、この防寒水筒覆の実物を紹介していきたいと思います。
昭和18年製 大阪陸軍被服支廠(真綿)
中が真綿になっているタイプ。おそらく未使用のデッドストック品。
昭和18年製 大阪陸軍被服支廠(毛皮)
中が毛皮になっている。釣紐を固定する側面の紐が、長短2種類の紐で対になっているのがこの個体の特徴。他の防寒水筒覆は、同じ長さの紐。全体的に使用感があり、液体が染みた跡がある。
昭和18年製 大阪陸軍被服支廠(真綿)
中が真綿になっている。全体的にきれいなのだが、蓋を結ぶ紐が欠損している。他の紐が非常にきれいで使い込まれた様子もなく、ハサミでわざと切ってあるようにも見える。
脚注
- 「陸軍服制第5條に依る服制並装具の制式中改正の件」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C01001561600、永存書類甲輯 第1類 昭和13年(防衛省防衛研究所) ↩︎
























