先日の記事で紹介した実物の九八式防暑帽とHIKISHOPのレプリカに、実物の織出星章を追加しました。ついでにHIKISHOPのレプリカの方は、ディテールアップ工作も行いました。
織出星章の加工
こちらが使用した実物の織出星章です。私の場合、ヤフオクで商品名が間違って出品されていたのを見つけ、たまたま安く入手することができました。ネット上で買おうとすると、星一つあたり3,000~4,000円くらいはすると思います。
この星章を五角形になるように折り曲げて、周囲をミシンで縫います。ちゃんとした綺麗な五角形にできるように、製図用のコンパスを購入して型紙を作りました。やはり安物のコンパスではまともな正五角形は作図できません。
織出星章自体は非常に薄い生地で加工が難しかったため、帆布で五角形の土台を作成することで強度を出しました。これで星章の完成です。
星章の追加
作成した五角形の星章は、頂点のみを点で帽体に縫い付けます。以下は、私の持っている実物の九八式防暑帽の写真です。何らかの理由で星章が取り外されていたのですが、糸はそのまま残っていました。取り付けのサンプルとして非常に分かりやすいです。
以下が、実際に星章を取り付けたところです。星の部分は、最初は全体が黄色の綺麗な状態だったのですが、帽体に取り付けているうちに色が部分的に少し剥げてしましました。80年以上前のものですので、刺繍糸が弱くなているのかもしれません。ちょっとした摩擦で星が剥げてしまいますので、注意が必要です。
鉄帽への固定用ループの修正
前回の記事で判明した鉄帽への固定用ループですが、HIKISHOPのレプリカの方は歪な位置に取り付けられており、非常に雑な工作がされていました。そこで、このループの修正を行いました。
作業としては簡単で、まずは防暑帽の縁を固定している布の糸を全て解きます。そして、ループをもっと小さくして、適切な位置に配置しなおします。
帽体に通常の針は通らないので、最初に空いていた穴をうまく利用して縫い直す必要があります。縫い方としては、レザークラフトと同じ要領で、糸の両端に針を付けてクロスさせるように縫っていくと、手縫いでミシンのような縫い方が再現できます。
左が実物、右がレプリカです。帽体の形が実物とレプリカで少し異なるので、完璧に同じ場所にはなりませんが、概ねきちんとした位置にループを付けなおすことができました。
まとめ
以上で、九八式防暑帽のディテールアップは完了です。前々から、実物の星章に交換したいとずっと思っていましたが、ようやく作業を完了することができました。
レプリカの方の鉄帽への固定用ループも、取り付けが雑すぎてずっと気になっていましたが、一緒に修正ができました。