日の丸環と剣吊帯

  • 投稿の最終変更日:2025年6月18日
  • 投稿カテゴリー:被服 / 装備
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今回紹介するのは、下士官兵の帯刀本分者である帯刀本分兵が使用する日の丸環と剣吊帯です。下士官兵で帯刀したのは主に以下のような人たちです。

  • 騎兵の下士官兵(二等兵~)
  • 輜重兵の下士官兵(二等兵~)
  • 憲兵の下士官兵(上等兵~)
  • 歩兵の連隊本部附、大隊本部附下士官
  • 最上級の下士官である曹長

ただし、出征して戦地にいる下士官兵は、これらの条件を満たしていなくても私物の軍刀を佩用している例がたくさんあります。先祖伝来の刀などを軍刀に仕立てて持って行ったりしたようです。衛生兵が佩刀している当時の写真を見たこともあります。

そのため、前線の兵士の軍装を再現するにあたって、軍刀を佩用するというのは悪くありません。日本人なら、やはり刀を吊りたくなりますよね。

実物とレプリカの比較

一番上がレプリカで、下の2つは実物です。レプリカは、確かヤフオクで購入したのですが、メーカーは不明です。HIKISHOPのものとは違います。中田商店のものを真似て作られた海外製レプリカではないかと思われます。

真ん中の物は革製ではなく、ゴム引き圧搾帆布製です。多少硬化していますが、まだ使用可能な状態です。一番下は日の丸環だけで入手しました。

形状の違いはほとんど誤差と言ってよいかなと思います。現代の工業製品とは違うので、実物でも若干の違いはありそうですね。真ん中のは鉄帽や水筒の色に近い陸軍カーキ、右のは濃緑色で塗られています。レプリカも、塗装した方がそれらしくなりそうですね。

材質は、レプリカは真鍮ですが、実物は鉄です。日の丸環だけでなく、フックや鼓釦なども鉄製です。

ゴム引き圧搾帆布の剣吊帯の詳細。フックなども塗装されているように見えます。鼓釦は赤茶色の塗装がきれいに残っています。

ゴム引き帆布の剣吊帯は2枚を貼り合わせて作ってあるようです。帯の真ん中あたりが取れかかっていて構造が良くわかります。

こちらのものは、先日のVショーでPKミリタリアさんのブースを通りかかった時に見つけて即買いしました。それなりの値段でしたが、オークションだとこんなに安く手に入らないと思うので良い買い物ができたと思っています。

日の丸環の使い方

下士官兵が帯刀する場合は、日の丸環と呼ばれた金具を帯革に通し、剣吊帯を装着します。日の丸環は、その名の通り日の丸のような丸い穴が空いています。日の丸環を帯革に通したら、軍衣の剣吊を通して固定します。