防寒半袴は、特殊地方用被服に分類される防寒被服で、通常の軍袴の上から着用します。内側には毛皮が縫い付けられており、防寒性の高い装備です。着用時は、防寒脚絆や防寒長靴と組み合わせて使用します。昭和4年の「特殊地方用被服制式に関する件」1において、その形状が図示されています。
この防寒半袴も、ほぼ未使用の状態で時折出てきますが、内側の毛皮は非常に抜けやすく、触れるだけで大量の毛が付いてしまうものがほとんどです。
昭和18年製 陸軍被服本廠 (1)
防寒半袴の丈は膝下あたりまでで、膝から下は防寒脚絆や防寒長靴で覆います。
毛皮は前面のみに縫い付けられています。左右のポケットは穴状になっており、下に着用している軍袴のポケットへ手を入れられる構造です。この点は防寒外套と同様の作りになっています。
検定印の表記から、羊および兎の毛皮が使用されていることが分かりますが、材料表示の印は上下逆さまに押されています。
納入業者名は「旣中央納」と読めるようです。「央」の偏に「中」という字は存在しないため、このように判読するのが妥当ではないかと思われます。
昭和18年製 陸軍被服本廠 (2)
こちらも昭和18年製、陸軍被服本廠の防寒半袴です。
こちらも羊および兎の毛皮が使用されています。納入業者印は最初の一字しか判読できませんが、「旣」と読めることから、前述の個体と同一業者によるものではないかと考えられます。なお、この2着は同じ入手先から、同時に購入したものです。
同じ年、同じ業者による製造であっても、生地の色合い、紐の色、毛皮の色などに個体差が見られる点がよく分かります。
脚注
- 「特殊地方用被服制式に関する件」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C01001082500、永存書類甲輯第1類 昭和4年(防衛省防衛研究所) ↩︎












