九八式夏衣を使用した陸軍衛生部下士官兵の着装例です。この例では、階級は軍曹で、昭和18年制定の衛生部識別章を身に着けています。
防暑襦袢の衛生兵の記事でも解説しましたが、衛生部の下士官兵は赤十字のマークの入った鞄を携行しています。衛生兵用を包帯嚢(繃帯嚢/ほうたいのう)、衛生下士官を医療嚢(醫療嚢/いりょうのう)といいます。
九八式夏衣はS&Grafのものをベースに私が改造したものを使用しています。襟の階級章の下にある濃緑色の昭和18年制定衛生部識別章と、左腕の赤十字臂章も私が作成したレプリカです。
着装方法
兵の場合は包帯嚢(繃帯嚢/ほうたいのう)を、下士官の場合は医療嚢を携帯します。服装規定上、衛生兵は雑嚢を持たないことが基本になっていますが、実際の動員部隊では所持させていることもあるようです。雑嚢を装着する場合は、水筒と同じく右肩から掛けていたようです。
衛生兵の標準的な被服の着装方法は、以下の通りです。
- 水筒を右肩から左尻に掛ける。水筒の釣紐バックルが身体の前にくるように水筒を前後入れ替えておく。
- 銃剣を通した帯革を締める。
- 医療嚢(包帯嚢)を左肩から右下に掛け、専用の細い帯革で医療嚢を身体に固定する。医療嚢の帯革は兵用帯革の下に締める。医療嚢は、状況に応じて身体の前に動かしたりして使用する。
- 被甲嚢(ひこうのう/ガスマスクバッグ)を右肩から左下へ掛ける。
使用した被服
- 九〇式鉄帽(レプリカ/HIKISHOP)
- 鉄帽覆(レプリカ/野狸)
- 三色偽装網(レプリカ/野狸)
- 官給略帽(レプリカ/古鷹屋)
- 九八式夏衣(レプリカ/S&Graf)
- 軍曹階級章(レプリカ/野狸)
- 衛生部識別章(レプリカ/曹集)
- 帯革(レプリカ/S&Graf)
- 九四式水筒甲型(レプリカ/HIKISHOP)
- 四十年式医療嚢(レプリカ/中田商店)
- 赤十字臂章(レプリカ/曹集)
- 三十年式銃剣(レプリカ/ウインドラス)
- 九五式被甲嚢(レプリカ/野狸)